「放射線照射血液製剤」について

日本赤十字社より、輸血用血液製剤の安全対策の一つである「放射線照射血液製剤」についてのご説明をいたします。

輸血用血液製剤に放射線を照射する目的は、重篤な輸血副作用である輸血後GVHD(移植片対宿主病)を予防することです。輸血後GVHDは、輸血した血液中のリンパ球が身体の中で増殖し臓器を攻撃することによって、致死的な経過をたどることがあります。これは、あらかじめ輸血用血液製剤に放射線照射を行い、輸血用血液製剤中のリンパ球の増殖機能を奪うことで予防できます。

厚生労働省が策定した「輸血療法の実施に関する指針」では、輸血用血液製剤は輸血後GVHD予防対策として、15Gy(リンパ球の増殖を抑制するための最低線量)~50Gy(治療に必要な赤血球・血小板の機能や寿命を損なわない上限線量)の放射線照射後に使用することが示されています。

日本赤十字社では、「輸血療法の実施に関する指針」にのっとり、輸血により十分な治療効果が得られる放射線量を照射した安全な輸血用血液製剤を15年以上にわたり医療機関へ供給しており、平成12年以降は現在に至るまで輸血後GVHDは発生していません。

また、放射線を照射したからといって、血液製剤に危険物質(例えば放射線を発する物質など)が残留することはありません。そして、輸血用血液製剤に照射した放射線により、輸血を受けた患者さまに健康被害が生じたことはありません。

日本赤十字社は、これからも血液製剤の安全性の向上を図るとともに、皆さまへの正確な情報提供に努めていく所存です。

平成25年には、年間延べ521万人の方々に善意による献血をしていただきました。献血がなければ、輸血を必要とする患者の皆さまに血液をお届けすることができません。

引き続き皆さまの献血へのご理解・ご協力をお願いいたします。

(参考)医療機関向けリーフレット「輸血情報」(日本赤十字社編集発行)(PDF:33KB)

日本赤十字社
血液事業本部 広報担当