献血を歌に詠んで

出口由美さん

出口由美さん
(千葉県在住)

初めて献血をしたのは高校生の時でした。
学校に献血車が来て、希望者が献血をすることになったのです。初めて見る献血針の太さに驚いた記憶がございます。
でも、頻繁に献血をするようになったのは、ここ4~5年のことです。

きっかけは、実は特にありません。
気がついたら献血が自分の生活の大切な一部になっておりました。
歌を始めたのは大学生の頃からですが、これも特にきっかけといえるようなものはなく、献血と同じように、気がついたら自分の生活に欠かせないものになっておりました。
これまで作品はほとんど公表せず、自分のその時その時の思いを冷凍保存するような気持ちで歌を作ってまいりました。
歌会始には5年ほど前から応募しておりましたが、まさか入選するなど、夢にも思っておりませんでしたので、宮内庁から連絡をいただいたときには本当にびっくりいたしました。
今回の歌は献血の前、血液検査の風景を詠んだものです。
検査の為の小さな試験管に自分の血がほとばしった時、試験管のガラスが血のぬくもりでかすかに曇るその瞬間が本当に好きで、その時の思いを歌にしました。
歌会始当日、儀式の後、別室で両陛下の拝謁があったのですが、その折にそのことを両陛下に申し上げました。
皇后様が「たくさん献血をして下さって、 どうもありがとう」とおっしゃって下さった時の嬉しさが忘れられません。
私たちは「人様のお役に立った」と思える瞬間、生きる喜びを感じることがあると思います。
私はまだまだ修養が足りなくて、なかなか人様のお役に立つことができません。
でも、献血ならば、どこかで必ず、どなたかのお役に立っていると思います。
少しでも多くの方々のお役に立てるように、これからも献血を続けて行きたいと思います。