平成29年11月 連盟会長退任~連帯の精神に始まり、終わる

 

次期会長ロッカへ花束を渡す近衞会長_DSC2141.jpg (3カラム画像(枠なし):206x134px)

ロッカ新会長(左)花束贈呈

 11月8日、近衞社長は、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)総会を無事終え、連盟会長の任期が終了しました。新会長にはイタリア赤十字社のロッカ社長が選出され、静かに壇上を降りる予定でした。が、突然、「Thank you Mr. Konoe」というビデオが音楽と共に流れ始め、会場は一瞬どよめきました。参加者は半世紀前の若き近衞社長の写真や会長としての活動記録に見入り、そして最後はスタンディングオベーション。すべての人にとって『サプライズ』でした。

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トルコ赤新月社ボランティアと

 カタール赤新月社長アルマディード氏は「私は4年間、連盟副会長として近衞会長と働きましたが、私がこれまで一緒に働いた人の中で、最も尊敬できる人だ」と直立不動の姿勢で最大級の賛辞を贈りました。8年間会長業務を支えて来たサバリ事務局職員は「近衞会長は、各国首脳に会う時も、ボランティアに会う時もその姿勢は同じです。とても素晴らしい」と、近衞社長のボランティアからの人気の秘密を披露しました。

 連盟会長としての功績としてよくあげられるものに、2020年戦略の展開、腐敗や規則違反の透明化、と、ボランティア憲章があります。さらに『人道の空白を作らない』と言う信念の下、特に国際的に大きな注目を浴びない国や地域でも人道外交を展開したことも高く評価されています。

 しかし8年間、連盟運営がすべて順調であった訳ではありません。近衞社長自ら、「私の二期目の船出は大変難しく、耐え難い苦痛そのものだった」と心情を吐露しています。190社の加盟社、1700万人のボランティアからなる世界最大のネットワークである連盟には、地域性があり、異なる視点や意見が混在します。加盟社の中に断絶ができた時、関係する人々を話し合いのテーブルに着かせることができたのは近衞社長でした。

 スペイン赤十字社のバベ氏は「190社の連盟をまとめ上げる近衞会長の手腕には感服します」と困難な時を思い出しながら話します。近衞社長も「8年前に『Spirit of Togetherness』を掲げ、最後まで赤十字・赤新月運動としての一体感を保ち続けることができたことには満足している。これが最大の功績ではないか」と語ります。

11月トルコ連盟総会_DSC1408.jpg (3カラム画像(枠なし):206x134px)

会場の拍手にこたえる近衞社長

 では、近衞社長は類まれな超人的能力の持ち主だったのでしょうか。会長の資質について近衞社長自身は「会長としての必須要件は、出身母体からの協力だ」と明言します。そして「会長社は海外活動だけでなく、国内でもしっかり活動していることが重要。日赤が社として国内活動をしているからこそパートナーから信用され、連盟会長として信頼され、耳を傾けてくれるのだ」と付け加えます。自分への評価は日赤の社力の上にあるとして、連盟会長として最後のスピーチの中で日赤職員、施設、ボランティアへ感謝のことばを述べたことは言うまでもありません。