平成27年7月 人道外交は時と場所を選ばない~地中海沿岸諸国をめぐって

近衞忠煇日本赤十字社社長は7月6日、駐日サンマリノ共和国大使館を訪問し、マンリオ・カデロ大使に面会しました。カデロ大使は親日家として知られ、2011年から駐日外交団長を務め、宮中晩さん会に出席するなど特別な役割を担っています。

大使館訪問は、5月末に赤十字・赤新月社の地中海沿岸国会議がサンマリノにて開催され、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)会長として出席した近衞社長が、国家元首に拝謁し叙勲を受けたことを報告するためでした。

マンリオ・カデロ駐日サンマリノ大使(右)と会見中の近衞社長

マンリオ・カデロ駐日サンマリノ大使(写真右)と会見中の近衞社長

今回の地中海沿岸国会議は、地中海を挟んで南側で開催予定でした。しかしパレスチナをめぐる政治的対立から、イスラエル人の入国が当該諸国で認められず、代わりに中立国として広く知られているサンマリノで開催されました。

この地域は近年、北ヨーロッパへ向かうアフリカ・中東からの移民・難民流入という共通の課題に直面していますが、地理上の共通点を除けば、文化や言語、宗教、経済面などで非常に多様な地域です。 サンマリノのように17世紀にローマ教皇が独立を確認した国がある一方、経済的に破綻状態になった国家、政治的に機能しない国家もあります。そのような国の赤十字・赤新月社は姉妹社や政府の協力を必要としています。 5月末に訪問したアルバニアも近衞社長の人道外交を必要とする社の一つでした。赤十字法が未整備で、アルバニア赤十字社の要請で連盟会長として政府へ強く働きかけました。

「先日ネパールで王毅中国外交部長(外務大臣)にばったり会ったが、彼とは駐日大使時代からの知り合いだ。日本で育んだ人脈が生きることがある」と近衞社長。ノルウェー外相も元ノルウェー赤十字社事務総長で、親しい関係です。

近衞社長が海外を訪問できる機会は、ジュネーブでの定例会議を除けば限られます。しかし人道外交は日本国内外の場所、時間を問わず、絶えず心がけることが大事と近衞社長は強調しています。