平成24年7月 世界防災閣僚会議出席(仙台市)

 東日本大震災をはじめとした近年の大規模自然災害の経験や教訓を世界で共有し、災害に強い社会を構築しよう――63カ国の閣僚や14の国際機関の代表、国際・国内のNGO(非政府組織)の代表者ら約500人が参加して7月3、4日の両日、「世界防災閣僚会議in東北」が宮城県仙台市などで開かれました。

 開会式であいさつした野田佳彦総理大臣は「東日本大震災で得た知見と教訓を国際社会と共有していくとともに、各国から受けた支援への恩返しとして日本は積極的に国際社会における防災分野で貢献していく」と決意を表明。国連開発計画(UNDP)のヘレン・クラーク総裁は母国ニュージーランドの大地震の経験に触れるとともに、今後は防災・減災を開発計画の中心に位置づけていくと強調しました。

大規模自然災害に備えた対策など、「防災の主流化」に向けた議論を交わすパネリスト(写真右端:近衞社長)

会議では、大規模自然災害に備えた対策など、「防災の主流化」に向けた議論が交わされました。右端が近衞会長。

 日本赤十字社の近衞忠煇社長は国際赤十字・赤新月社連盟の会長としてパネル討論に参加しました。自然災害の増加傾向や巨大化、被害の複雑化などを指摘し、防災対策のために国際支援の調整が必要であると訴え、そのためには海外からの支援の受け入れを容易にするための国内の法体制整備も重要であると強調しました。

 さらに赤十字は各国でボランティアの育成を通じてコミュニティーの防災意識を高める取り組みを行っていることを報告し、「ボランティアの活動なくして防災・減災は難しい。各国政府は赤十字のこうした活動を後押ししてほしい」と訴えました。

 また、東日本大震災の被災者代表として、宮城県女川町立女川第一中学校2年生の今野伶美さんと勝又愛梨さんが登壇しました。今野さんたちは、社会科の授業で議論を重ねて作成した「津波対策案」について「自分たちはまだ非力で、現実に結びつけることができないけれども、この会議で紹介することで実現に近づけたい」と、故郷を自分たちの孫の世代にまで残していきたいという思いを語りました。

 参加した各国代表者からは、持続可能な防災の取り組みと、災害被害軽減のためのプラットフォームづくりの必要性が提示され、災害から立ち直るための復元力を社会に備えていくことを確認しました。宮城、岩手、福島各県で開催された分科会では、被災した漁港や工場などの視察も行われました。

近衞会長スピーチ全文(英語)(PDF:184KB)