平成24年6月 イタリア赤十字社訪問

 国連薬物犯罪事務所(UN Office on Drugs and Crime, UNODC)の報告書によると、現在世界におよそ2700万人の薬物使用者がおり、毎年その1%が薬物乱用によって命を落としているといわれます。こうした薬物問題は本人の命を脅かすだけでなく、精神的苦痛や家庭崩壊、HIVのまん延などを誘発します。

 違法薬物のまん延が社会的問題となっているイタリアでは、イタリア赤十字社がこの問題に警鐘を鳴らし、積極的な活動を続けています。

ヴィラ・マレイニでイタリア赤十字社職員から事業の説明を受ける近衛会長

ヴィラ・マレイニでイタリア赤十字社職員から事業の説明を受ける近衞会長

平成24年6月、ローマにあるイタリア赤十字社を訪れた近衞会長は、30年以上にわたって薬物中毒者への治療とリハビリを提供している施設、ヴィラ・マレイニの活動の様子を視察しました。

 近年、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)も薬物問題に対する関心を高め、UNODCをはじめとする国際機関と連携しながら、一般市民の理解促進・関心喚起に取り組んでいます。

 ヴィラ・マレイニの取り組みや知識・経験を国際赤十字において共有するために、近衞会長は同施設と連盟およびイタリア赤十字社との間で協定を交わしました。

 近衞会長はまた、国連食糧農業機関(FAO)のローマ本部を訪れ、ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ事務局長と協議を行いました。長期化する干ばつ、食糧価格の高騰、慢性的な貧困や内戦といった事情を背景に、アフリカ、とりわけサヘル地域の食料危機が深刻化しています。

 近衞会長は、地域社会がこうした災害から自ら立ち直る力を強化させることが重要だと訴え、飢饉や食料不足といった「忘れられた災害」に対して世界の関心を高め、食糧の安全保障を強化するために、連盟とFAOの間に協力関係を構築するよう求めました。