平成22年11月 ノーベル平和賞受賞者世界サミット出席(広島)

 歴代ノーベル平和賞受賞者が、世界が直面するさまざまな問題について話し合う「ノーベル平和賞受賞者世界サミット」が、平成22年11月12日から3日間、広島で開催されました。広島と長崎に原爆が投下されてから65年。「広島の遺産:核兵器のない世界」をテーマに、原爆の悲惨さや核兵器の脅威、廃絶に向けた取り組みをめぐる議論が交わされました。

 国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は1963年に、赤十字国際委員会(ICRC)は1917年、1944年、1963年と過去3回にわたり、ノーベル平和賞を受賞しています。近衞会長はICRCの代表とともにサミットへ出席し、世界に向けてメッセージを発しました。

スピーチをする近衛会長

 「赤十字と核兵器との関わりは、広島に世界最初の原子爆弾が投下されたその瞬間から始まっています」

 奇跡的に全壊をまぬがれた広島赤十字病院は、続々と運び込まれる負傷者の救護を続けました。

 原爆投下後の広島に外国人医師として初めて足を踏み入れたICRCのマルセル・ジュノー博士(Marcel Junod)は、医薬品入手のためにGHQとの交渉にあたり、自ら被爆者救済に奔走しました。

 赤十字はこれまでも、赤十字国際会議などの場で、核兵器禁止を支持する数多くの決議を採択しています。「一般市民の生命をいたずらに奪い、負傷させ、非軍事対象物に損害を与えるような、国際人道法に明らかに違反する兵器の存在を、これ以上見過ごすわけにはいきません。核の問題は極めて政治色が強いものです。しかし私たちはこの問題に正面から取り組み、人道主義を貫くよう各国に求めていくべきです」

 近衞会長はまた兵器の問題だけにとどまらず、平和利用の核がもたらしうる被害についても言及しました。原子力発電所など平和利用の核であっても、ひとたび事故が起こればその被害と影響が甚大であることは、25年前のチェルノブイリ原発事故が如実に物語っています。近衞会長は、原子力災害に対して事前に備え、緊急時には国境を越えた協力が必要であることを訴えました。

近衞会長スピーチ全文(英語)(PDF:122KB)

近衞会長スピーチ全文(日本語)(PDF:232KB)